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3歳を迎えたあたりから、床と同化して、てこでも動かないシーンが見られるようになりました。
「あー見たことあるー」
瞬間湯沸かし器にならないように、うすらぼんやり俯瞰して見るように努めています。
わたし自身、自分の地雷を踏まないよう必死。
何も知らなかった息子。
この世で一番カワイイ人は母だと思っていた息子。
公園がディズニーランドだと思っていた息子。
必死に生きているうちに、この世にはもっとおいしいものや楽しいこと、美しいものがあることを知り、人間らしい一面を見せてくるようになりました。
口癖は「なんか買いたい」
とあるお休みの日。
母と2人でお出掛け。
本屋さんに入った途端、必殺の口癖が飛び出します。
「なんか買いたい」
特定のものじゃないんです。
「なにか」を買いたい。
はい。聞こえません。
いつの間にか小脇に何か抱えています。
一応気まずさはあるらしく複雑な顔をして私を見ています。
左手に抱えているのは家から持参したmyスマホ。ニューブロック製。
ここから母と息子の30分にも及ぶ長い戦いがはじまります。
1ラウンド。ファイッ!
はじまりました。
「これ、買いたい」
「ほしいよね。でも今日は買わないお約束してきたから買わないよ」
「いやだー」
「ママきらい」
「パパに会いたい」←いつもコレ。パパは自分より格下の都合のよい存在。
しつこいわぁ。
座り込み、母を困らせます。
2ラウンド。ファイッ!
「ママきらい。あっち行って!」
― 母、姿を消す(すぐそばの壁へ)。
「ママーどこー。こっち来てー」
― 母、壁からヌッと出る。
「ママきらい。あっち行って!」
― 母、壁へと消える。
「ママーどこー。戻ってきてー」
なに、この不毛な時間。
息子は怒っているだけで、泣いてはいません。
母も怒っていないつもりです。
(心の中は97℃ぐらい。沸点間近)
最終ラウンド。ファイッ!
「ほしいのは分かるよ。でも今日は買わないお約束したよね。がんばって切り替えておいで。待ってるね」
構うと逆に荒れるので、母は例の壁へと消え、他の方の邪魔にならないよう隠れて見守ります。
ギャーギャー言っています。
しばらくすると、おもちゃが置かれていた場所の前でたたずみ、おもちゃを棚に戻しては手に取り、戻してはまた手に取り、を繰り返しだしました。
数回繰り返してようやく棚へ置くも、そこから離れられず棚に戻したおもちゃをじーっと見つめています。
一言もしゃべりません。
息子、人生のお勉強中です。
そして。
手ぶらになった息子は母の元へ。
「えらかったね。よく我慢できた」と声を掛けた途端、初めて涙を流して「抱っこー」としがみついてきました。
ここからは甘やかしてあげる時間。
16キロの塊を抱えて岐路につきました。
たかだか1,000円ちょい。
買ってあげるのは簡単ですが、本当に忍耐勝負ですね。
その日のコンディション次第で、聖母バージョンもあればサスペンスバージョンもある。
それが子育て。未熟でごめんよ。
息子グッジョブ。おつかれ自分。
未熟なわたしの愛読書。聖書。お守り。
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