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前職では、もう1社の会社さんとともに紙媒体を発行していました。
毎週、われわれ営業とライターさん、デザイナーさんが集まって会議が行われます。
誌面広告で利益を出していくミッションがある営業部と、より良い媒体を作りたいというクリエイターさんでは思惑が異なることがあるので、時々会議がヒートアップすることもありました。
毎週の長丁場に楽しみを見出す
会議の進行をするなかで、ずっと気になって仕方ないことがありました。
もう1社の会社の営業マンが誰かに似ている。
ある日、気付いた。
「あっ、山下 清だ」
丸顔、坊主の風貌。
ハキハキとした好印象の営業マンでしたが、性格が優しいのも相まって、いつしか心の中で「山下先生」と呼ぶようになっていました。
元キャラ、偽キャラ、どちらにも尊敬の念を込めて「先生」呼び。
会議もなかなかに疲弊するので、なにか楽しみを見つけたい。
その方にお会いするたび
「おっ、髪切った?山下先生」
その方が発言するたび
「よく言った!山下先生」
心の中で合いの手を入れていたら、ついにやらかした。
脳に支配されたわたしのお口にチャーック!
今日の会議はなかなかに熱い。
営業側と制作側が揉めだしました。
折り合いがつかず、言い合いに。
その時、とっさに出てしまった
「ちょっと山下先生、落ち着いて!」
言った瞬間気付き「やばい」と思ったけれど、もう時間は戻りません。
えー、お客様の中に「山下先生」はいらっしゃいませんか?
しばしの沈黙のあと、
「え?今のなに?」by社長。
もちろんスルーしたかったのですが、「山下先生」に変わる言い訳なんて思いつくはずもありません。
誰か思いついたら教えて。
わたしの失態により、荒れていた会議が諦め和やかムードに変わったことだけは良かったです。
もうその方には長らくお会いしていません。
「お元気ですか?山下先生」
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